2021年12月27日、濰坊万通食品有限公司が生産したネギとタマネギを入れる八つのコンテナは、濰坊税関の監督下で6時間未満の検査で無事に通関しました。「RCEPはまだ発効していませんが、RCEPによる恩恵をすでに享受し始めています」と万通食品の総経理である高新東氏は述べました。彼によると、同社は日本・韓国向けのネギの鮮度保持輸送を主な事業とし、野菜は腐りやすく劣化しているため、輸送時間に対する要求が非常に厳しく、商品バッチがいずれかの手順によって数時間遅れたら、到着後に品質不合格のため返品される可能性があります。
「RCEPによると、RCEP加入国は生鮮食材の通関を6時間以内に完了させなければなりません。2020年末までに、同社の農産物が通関手続完了までに約8時間かかりましたが、2021年に税関部門は一連の改革により6時間以内の通関完了を実現しました。それは生鮮農産物輸出企業にとって大きなプラスです」と高新東氏は述べました。
1月1日、「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」が、シンガポール、中国、日本を含む10か国で正式に発効しました。済南海関統計分析処の長である劉赛によると、2021年の1月~11月に、山東省の他のRCEP加入国への輸出入額は前年比で35.4%増の9371.9億元を収めました。そのうち、輸出額は前年比で28.9%増の5374.8億元で、輸入額は前年比で45.2%増の3997.1億元となりました。「RCEPが発効した後、中国と他のRCEP加入国との間の経済統合はさらに深まり、固まり、東アジアの地域統合のプロセスに新たな推進力を注入し、山東省の対外開放のパターンに直接影響を与えるでしょう」と劉赛は言いました。
「山東省にとって、RCEPが発効することに最も注意すべきなことは、中国と日本が初めて自由貿易協定に合意に達したことです」と山東社会科学院の国際経済政治研究所の所長である李広傑氏は述べました。彼によると、RCEP協定によれば、日本製品の86%に対する中国の関税は最終的にゼロに引き下げられ、そのうち25%が本協定発行当時に直ちにゼロに引き下げられました。中国製品の88%に対する日本の関税は、最終的にゼロに引き下げられ、そのうちの57%が本協定発効直後にゼロに引き下げられました。それは絶好な立地にある山東省にとって間違いなく大きなチャンスです。
山東中地進出口公司は、主に日本にテキスタイルを輸出することを主な事業とし、その製品は通年で日本市場のトップ3にランクされています。同社の総経理である趙国亮氏によると、これまで日本市場のテキスタイルは主に中国と東南アジアからのものでした。
「RCEPが発効した後、当社の製品は徐々に日本の減税と免税政策を享受できるようになります」同社の現在の日本への年間輸出額8000万米ドルに基づいて予測すれば、RCEPが発効した当年度に400万人民元の関税を節約でき、10年以降で関税がゼロに引き下げられます。企業の経費が大幅に節約されます。「1月1日に、青島港から日本まで輸送された私達の商品は減税・免税対象となります」と趙国亮氏は述べました。
恩恵を受けたのは中地会社だけではありません。青島海関関税処の長である卒海軍によると、山東省と日本は地理的に繋がりが深く、経済的に互換性があります。2020年の山東省の日本へ静的貿易データに基づいて予測すれば、RCEPの発効初年度の山東省輸出商品が日本での減税・免税額が3.8億元となります。RCEPは、減税のプロセスを完了した後、山東省が日本から輸入する場合、約900億元の関税コストを削減されます。「これは、今年史上最高を記録した山東の対外貿易に、より強い成長の可能性をもたらしました」
RCEPによる機会をつかむために、山東省は、RCEPの実施に関する「予備的行動計画」を率先して発行しました。同省の農産物輸出企業が日中農産物関税減免に関する約束を活用するように指導し、主要輸出商品や企業一覧を作成・発布し、市場開拓を強化します。「私たちは、日本、韓国、RCEP地域の輸入博覧会、中日韓企業マッチメイキングフェア、中日産業革新発展交流会議などの一連の交流活動を次々開催し、山東企業が日本市場を開拓するのを支援しました。RCEPが発効した後、日本との交流を強化し、企業への政策広報を努め、RCEPの方針を企業に周知させ、RCEPによるチャンスを掴ませます」と省商務庁の対外貿易処長である王紅氏は述べました。